2016年4月16日ー17日、沼津で開催されたイベント「レトロゲーム・アラカルト」にて、ゲーム保存協会理事長ルドンと理事福田が講演を行いました。
豪華なゲストを集めたレトロゲーム関連イベントの中、理事福田による「ゲームプレイの保存企画」、そして理事長ルドンによる「データイーストの歴史:アーケード黎明期の前衛家」の2講演を各1時間半かけ発表しました。
土曜日に行われた福田によるゲームプレイの保存についての発表は、そもそもなぜゲームのプレイを保存する必要があるのかという根本的なところから丁寧に説明。
ゲームでも保存の大切さを訴える人は徐々に増えてきていますが、福田は遊び方が残されないと何が問題になるのかを実例も紹介しながら解説しており、改めて保存の意義を考え直す時間が持てたと思います。
保存と一言に言っても、単なるプレイ動画の保存では残されない大量の情報があります。本当の「プレイ記録」の保存とは何なのか、その重要性を説明した上で、福田を中心にゲーム保存協会が編み出した完全なプレイ記録保存の新しいメソッドを発表。会場では実際のアーケード基板も出して新方式によるプレイ記録のデモンストレーションも行いました。より完璧な保存を求めるゲーム保存協会の活動クオリティを肌で感じる90分だったのではないでしょうか。
日曜日のルドンによるデータイーストの発表は、この数年ゲーム保存協会が力を入れていたデコカセ保存の成果の報告でした。
データイースト社の個性的な戦略の数々と、劣化の早いデコカセの保存作業の難しさを説明。ゲームの歴史の中でも異彩を放つデータイーストという会社の面白さが伝わる内容だったと思います。
講演では今回、ゲーム保存協会が救い出した、デコカセ全タイトルを実際のゲーム画面なども含め順に紹介。これまで知られていなかった各作品の特徴、そして革新的な部分など改めて整理して発表しました。
ゲーム保存協会がやらなければ現代によみがえることもなかった個性的な作品の数々。今回は会場で小カセ大カセと呼ばれる2種の異なるデコカセシステムの起動ローディングも行い、1980年のテクノロジーを間近でご覧いただく機会になったかと思います。
週末とはいえ、お忙しい中たくさんの方々が聴講に訪れ、会場も大変盛り上がっていたと思います。
ゲームの歴史を飾るビッグネームが集うシンポジウムにおいて、ゲーム保存協会の講演にお越しいただいた皆様には、本当に心より感謝申し上げます。
私たちにとっては、日ごろゲーム保存協会が行っている活動がどういった形で成果を生んでいるのか説明する機会でしたが、少しでも多くの方に、ゲーム研究と保存活動の必要性、またその魅力をお伝えできていれば幸いです。
ご参加ご協力いただきました皆様、また日ごろゲーム保存協会の活動にご支援ご声援くださっている皆様、どうもありがとうございます。
改めましてこれからもどうぞよろしくお願いいたします。
プレゼン資料:「データイーストの歴史:アーケード黎明期の前衛家」(15.6MB)
「データイーストの歴史:アーケード黎明期の前衛家」(15.6MB)