私たちゲーム保存協会では、アーケード基板、レトロPC、コンシューマーとその関連アイテム、雑誌、書籍、チラシなど、ゲーム文化に関連するものすべてを、ゲーム文化財ないしゲーム資料として扱っております。資料年代については、80年代を中心に、それ以前、それ以降、余力がある限りより多くのものを未来に残せるよう努めています。
現在、団体がアクセスできるゲーム関連資料はこうした様々なジャンルに渡って、品数およそ3万点以上。現在もその数は増えております。

ゲーム保存協会では皆様からいただいた寄付収入でのゲーム資料の購入は基本的に一切行っていません。こうしたすべての資料は、団体の活動理念に共感いただいたコレクターの皆様の協力によるものです。
すでに古いゲームは希少価値がつき、高額で取引される現状にあります。こうした中で資料の散逸と劣化を最小の費用で最大限食い止めるためには、団体での資料収集をしていては間に合わないのです。
そのため、ゲーム保存協会ではコレクターのネットワーク形成に力を入れており、すでに資料をお持ちのコレクターの方に、資料散逸防止(安易に転売しない・破棄しない)のお願いと、保有資料についての情報提供(ゲーム文化関連資料についてのデータベース作成へのご協力)のお願い、展覧会や技術開発等で必要となった場合の資料の貸し出し等のお願いをしています。

海外ではコレクター同士のオープンなやり取りが盛んですが、日本ではいまだ、各コレクターの孤立と交流の乏しさが目立ちます。それぞれのゲーム資料ごとに専門で収集してきたコレクターの方がおり、そうした力を合わせることで、巨大なゲーム文化財の山を守っているのです。

こうしてアクセス可能となった資料については、適宜、長期保管の仕組みを考えたり必要な修復修繕措置をとっていきます。

ゲーム保存協会では極力、プリザベーション対象資料の選別をせず、できるかぎり多くの資料を適切な形で未来に残すことに力を注いでいます。修理や修復、コンサベーション技術の開発やプリザベーションに向けたとりくみの中で、扱う資料の順序を決める必要がある場合は、必ず、資料そのものの劣化速度を判断の基準に用います。
作業をしなければこの世から消失する危険にある、いわば文化財の中の絶滅危惧種について、適切な保護と対策を行うのです。

将来、どのような資料が誰にとって重要なものとなるのか、私たちは誰一人として知ることができません。
これは未来の人が決めるべきことなのです。
現在ここにいる私たちがすべきことは、一つでも多くの資料を救い、消えてしまう文化財を最小限にとどめる努力をすることです。

より多くのコレクターの方のご協力があれば、より多くの資料が残せます。
お手元に何らかの資料がある方は、ぜひご連絡ください。