今週のショート動画をご覧ください:
第2回の動画をお届けします。前回の動画をご覧いただき、ありがとうございました。視聴やシェア、コメントのひとつひとつが、少人数で活動する私たちにとって大きな励みになっています。
今回は前回とはまったく違う方向の作品を取り上げます。それがこのシリーズの面白さでもあります——日本のゲームの歴史は、思いがけないところへ繋がっていくものです。
今週の作品紹介:

パッケージ原本(当協会アーカイブよりスキャン)
夢大陸アドベンチャー【ユメタイリクアドベンチャー】
機種:MSX(ロムカセット)
©コナミ 1986
キャッチフレーズ:「シューティング+RPGの決定版!」「スピーディでパワフルなロマンティック・アドベンチャー」

タイトル画面 — 夢大陸への旅が始まる
1983年にコナミ工業からMSX用に発売された「けっきょく南極大冒険」の続編。病に倒れたペンギンの姫を救うため、金のリンゴを探す旅に出る — シンプルな物語の裏に、驚くほどの奥深さが隠されている。
前作も含め主人公であるペンギンくんが3Dの三人称視点で障害物を避けながらチェックポイントに指定時間内にたどり着くことを繰り返し最終的にゴールを目指す、というゲームシステムを採用している。

MSX1とは思えない滑らかな3Dスクロール
キャッチフレーズの通り、広告では発売当時に巷で大人気だったRPGという要素を売りの一つとして前面に押し出していたことが分かる。
この「夢大陸アドベンチャー」は前作に様々な要素を追加しほぼ新作ともいえる飛躍的な進化を遂げており、MSX1なのに画面全体が奥にぐりぐりと3D視点で高速にスクロールしたり、限られたドット数とカラー制限の中に表現された緻密なグラフィックはもちろんのこと、主人公のペンギンくんや敵キャラがドット絵アニメーションで非常に愛らしく表現されており、プレイヤーに見せる一挙一動やその表情には思わずほっこりさせられてしまうだろう。

魚を通貨にアイテムを購入
それに加えゲームデザインとしても非常にこなれており、氷上だけではなく水上や山岳地帯、水中やはたまた宇宙空間など、プレイヤーの興味を惹きつける作りとなっている様々なシーン構成に加え、新要素としてショップや豊富なアイテムの追加、それを購入するための通貨「魚」がバランスよく盛り込まれている。
プレイヤーはより先の面に進むためにどのようにお金を稼ぎ、どのアイテムを優先的に購入していくかという攻略要素をゲームをプレイしながら構築していくという奥深さを体験することになる。

氷上から宇宙空間まで多彩なステージ構成
そして特筆すべきはその音楽であろう。PSG3音を駆使し曲数も豊富なBGM群はそのどれもがクオリティが非常に高く、今でも多くの人がその全曲がゲームシーンと融合している名曲と評するなどその完成度がうかがえる。
難易度は中盤面までは誰でも到達できるものだが、後半面からはかなり高難度となっており、クリアを目指すにはなんとも挑戦しがいのある骨太アクションゲームに仕上がっている。
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特定非営利活動法人ゲーム保存協会
制作チーム
ゲームプレイ・解説:高橋 正俊(GPS)
エミュレーション準備:福田 卓也(GPS)
ソフトウェア:blueMSX(Ver.2.8.2)
映像編集:モンセ・ジャン(GPS)
ビットマップ素材:ストロム・オスカー
パッケージスキャン:アーカイブ事業部(GPS)
データベース登録:松原 圭吾(GPS)
キュレーション:ルドン・ジョゼフ(GPS)
特別感謝:GPS賛助会員の皆さま