Miraikan Gamepres

企画展GAME ON特別フォーラム「どう残すか~技術と体験のアーカイブ」

初夏の風もさわやかな今日この頃、皆様いかがお過ごしでしょうか。
本日は、来る5月20日金曜日に開催される日本科学未来館「GAME ON」特別フォーラム「どう残すか~技術と体験のアーカイブ」への出演告知をさせていただきます。
このイベントは現在同館で開催中の企画展GAME ONに付随する催しです。
なぜゲームを残す必要があるのか、どうやって残せばよいのか、というゲーム保存の基本問題と向き合うフォーラムで、現在この国で行われているゲーム保存の状況を確認する機会となります。
パネリストは現在、ゲーム保存活動に関わる代表者が揃い、ゲーム研究、そして保存についての意見交換がなされる予定です。

【出演者】
上村雅之(立命館大学 映像学部 客員教授/ゲーム研究センター センター長)
桶田大介(弁護士/マンガ・アニメ・ゲームに関する議員連盟アドバイザー)
辻哲朗(日本ゲーム博物館 館長)
中村伊知哉(CiP協議会 理事長)
細井浩一(立命館大学 映像学部/ゲーム研究センター 教授)
柳与志夫(東京大学大学院情報学環 特任教授)
ルドン・ジョゼフ(NPO法人ゲーム保存協会 理事長)

ゲーム保存の難しさ、問題点など第一線で動く研究者らの声を直接聞ける貴重な機会です。
文化としての地位の低さや資料散逸の状況から「現代の浮世絵」ともいえるゲーム、この魅力的な文化財の未来を知るイベントです。

開催日時2016年5月20日(金)14:00~16:00 (受付・開場:13:30~)
開催場所日本科学未来館 7階 イノベーションホール
参加費:無料
お申し込み:必要(定員50人まで)

フォーラム詳細は以下のリンクより:
http://www.miraikan.jst.go.jp/event/1604141619827.html

Deco Catalog Gamepres

レトロゲームアラカルト@沼津 報告/資料公開

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2016年4月16日ー17日、沼津で開催されたイベント「レトロゲーム・アラカルト」にて、ゲーム保存協会理事長ルドンと理事福田が講演を行いました。
豪華なゲストを集めたレトロゲーム関連イベントの中、理事福田による「ゲームプレイの保存企画」、そして理事長ルドンによる「データイーストの歴史:アーケード黎明期の前衛家」の2講演を各1時間半かけ発表しました。

土曜日に行われた福田によるゲームプレイの保存についての発表は、そもそもなぜゲームのプレイを保存する必要があるのかという根本的なところから丁寧に説明。
ゲームでも保存の大切さを訴える人は徐々に増えてきていますが、福田は遊び方が残されないと何が問題になるのかを実例も紹介しながら解説しており、改めて保存の意義を考え直す時間が持てたと思います。
保存と一言に言っても、単なるプレイ動画の保存では残されない大量の情報があります。本当の「プレイ記録」の保存とは何なのか、その重要性を説明した上で、福田を中心にゲーム保存協会が編み出した完全なプレイ記録保存の新しいメソッドを発表。会場では実際のアーケード基板も出して新方式によるプレイ記録のデモンストレーションも行いました。より完璧な保存を求めるゲーム保存協会の活動クオリティを肌で感じる90分だったのではないでしょうか。

日曜日のルドンによるデータイーストの発表は、この数年ゲーム保存協会が力を入れていたデコカセ保存の成果の報告でした。
データイースト社の個性的な戦略の数々と、劣化の早いデコカセの保存作業の難しさを説明。ゲームの歴史の中でも異彩を放つデータイーストという会社の面白さが伝わる内容だったと思います。
講演では今回、ゲーム保存協会が救い出した、デコカセ全タイトルを実際のゲーム画面なども含め順に紹介。これまで知られていなかった各作品の特徴、そして革新的な部分など改めて整理して発表しました。
ゲーム保存協会がやらなければ現代によみがえることもなかった個性的な作品の数々。今回は会場で小カセ大カセと呼ばれる2種の異なるデコカセシステムの起動ローディングも行い、1980年のテクノロジーを間近でご覧いただく機会になったかと思います。

週末とはいえ、お忙しい中たくさんの方々が聴講に訪れ、会場も大変盛り上がっていたと思います。
ゲームの歴史を飾るビッグネームが集うシンポジウムにおいて、ゲーム保存協会の講演にお越しいただいた皆様には、本当に心より感謝申し上げます。
私たちにとっては、日ごろゲーム保存協会が行っている活動がどういった形で成果を生んでいるのか説明する機会でしたが、少しでも多くの方に、ゲーム研究と保存活動の必要性、またその魅力をお伝えできていれば幸いです。
ご参加ご協力いただきました皆様、また日ごろゲーム保存協会の活動にご支援ご声援くださっている皆様、どうもありがとうございます。
改めましてこれからもどうぞよろしくお願いいたします。

プレゼン資料:「データイーストの歴史:アーケード黎明期の前衛家」(15.6MB)

「データイーストの歴史:アーケード黎明期の前衛家」(15.6MB)

「データイーストの歴史:アーケード黎明期の前衛家」(15.6MB)

Ninja

4月に開催される「RETRO GAME À LA CARTE」に参加します

2016年4月16日(土)~17日(日)、静岡県沼津市で開催されるレトロゲームのイベント「RETRO GAME À LA CARTE」(レトロゲームアラカルト)に参加いたします。

インベーダーゲームの生みの親として有名な西角 友宏さん、『それは「ポン」から始まった-アーケードTVゲームの成り立ち』の著者である赤木 真澄さん、アーケード界の人間国保の高井商会の高井 一美さんといった豪華ゲストが集まり、アーケードゲーム黎明期の熱気を伝えるイベントで、私たちゲーム保存協会も講演をします。
講演内容は理事メンバーの福田による、アーケードゲームのプレイ記録についての講演、そして理事長ジョゼフによる、本邦初デコカセ復活プロジェクトと全タイトル紹介です。

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そしてアーケードゲームのプレイ記録の講演は、現在はプレイしている画面のキャプチャーやビデオ録画が一般的ですが、この方法ではプレイヤーがどんなコマンド入力をどんなタイミングで行っているのか完全な記録はできませんし、同じプレイを実機で同じように再現することは不可能で、あくまでも記録の映像が残るだけです。例えば大昔のチェスの名勝負は全手が記録され現在でも同じゲームを再現することができますが、ゲームも、どのような手を打っているかが正確なタイミングと共に記録されるべきだと思いませんか?福田はその完全なプレイ記録を取るための全く新しいシステムを作っています。今回の講演ではその内容をわかりやすくご説明していく予定です。

デコカセ復刻プロジェクトは、ゲーム保存協会発足以来の重要なプロジェクトの一つです。そのマシンの特殊性、劣化と部品生産中止による復元の難しさから、これまで完全な復元や保存ができなかった幻のアーケードゲームの一つデコカセを、私たちは完全な形で修復し、専門的なレベルでデータを保存する技術を開発しました。現在、この技術のおかげで、たとえ劣化による故障や不備が出ても大部分のデコカセを修理し復元することができ、ソフトのリマスタリング作業ができます。今回の講演では全ソフトの紹介、そして小カセ、さらに幻の大カセの実機デモンストレーションを行います。

実際に動く大カセを目の前で見ることのできる非常に貴重な体験となるはずです。そして30年以上前に姿を消した幻の「戦国忍者隊」も!

さらに、フランスから日本のビデオゲーム史の専門家フロラン・ゴルジュを招いた講演を予定しているそうです。ゴルジュ氏の著書L’Histoire de Nintendo(任天堂の歴史)は全世界で翻訳され、ビデオゲーム史研究の基本図書となっています。レトロゲーム研究の最先端を知る素晴らしい機会になると思いますので、皆様ぜひご来場ください。

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参加無料
会場: プラサヴェルデ
住所: 〒410-0801 静岡県沼津市大手町1-1-4
詳細はこちら: http://retrogamealacarte.jp/
同イベントと同時に「はるこん2016」(http://www.hal-con.net/ja)も同会場で開催されています。

沼津周辺には、温泉や御殿場アウトレットもあり、週末のプチ旅行としてぜひお越しいただけたらと思います。