2024年度 メディア芸術アーカイブ 推進事業活動ご報告

文化庁は、ゲームを含むメディア芸術作品の制作や保存、教育・研究を行う国内の団体を対象に、作品の保存や活用に関わる事業を助成しています。毎年公募があり、採択されれば、文化庁から事業に必要な補助金が支給されます。参加団体は活動の成果として、文化庁へデータベースと事業活動報告書を提出し、成果の一部は文化庁のメディア芸術データベース(MADB)でも公開されます。
メディア芸術振興に繋がるこの取り組みは、ゲームについては実際の資料を保管する専門団体が少なく、信ぴょう性の高いデータベース作成のため、ゲーム保存協会は2017年度より活動を続けています。

2024年度 活動報告

今年度は大きく以下の4つのプロジェクトを実施しました。2017年度より実施しているアーカイブ事業の継続作業として、フロッピーディスクのマイグレーション作業を行い、新たにフロッピーディスク表面のラベルのスキャンにも着手できました。
また、雑誌目録化のプロジェクトでは表紙や奥付のみならず、今回はじめて全頁スキャンを実施しました。ゲームとコンピューターの歴史を知るうえで、手に入りにくい雑誌の中身もデジタル化して残すことで、今後の利活用が期待できます。
これまでは必要な機材が不足していたためできなかった作業でしたが、今期はクラウドファンディングによって当協会初めての専用スキャナーを準備できたことで、実現したプロジェクトです。ご支援いただいた方には厚く御礼申し上げます。

ゲームそのものはもちろん、雑誌や書籍を含むゲーム関連資料も、文化的に重要な資料です。海外ではすでにこうしたゲーム関連資料の保存も進んでいますが、日本ではゲームを娯楽として公的な収蔵機関から除外していたり、著作権への不安から積極的な保存作業を実施しなかったりといった問題があります。専門的保存作業を進めることで、ゲーム保存協会のアーカイブが、多くの研究者やアーキビストに資するものとなるよう、私たちは今後も情報の整理・公開を進めて参ります。

■実施期間:2024年7月3日~2025年2月28日
1.磁気媒体電子化情報の登録
マイグレーションでデジタルデータ化されたフロッピーディスクの点数
5.25インチのフロッピーディスク:2,014枚
ラベルのスキャン:4,742枚分
2.書籍情報の目録作成
雑誌広告情報をインデックス化した点数
82年7月以降の資料を中心に約14,681件の情報登録
3.ゲーム雑誌データベース
書籍情報登録と表紙等のデジタル化を行った点数
ゲーム・コンピューター関連雑誌:約1,208タイトルの情報登録
80年代コンピューター・ゲーム雑誌(I/O):878冊分の情報登録(雑誌関連のサムネイル:合計2,167枚、奥付/目次関連:2,413枚)
全頁スキャン作業:337冊
4.ゲーム書籍のカタログ化
攻略本の詳細情報登録とゲーム資料との紐づけを行った点数
855冊
→2024年度助成事業実施報告はこちら

※公開している資料の画像は、営利目的での使用はできません。研究など個人目的での使用は可能です。


1.磁気媒体電子化情報の登録

フロッピーディスクのデータ保存デバイス「ポリーヌ」を使って、劣化消失の危険性が高い磁気媒体のデータを移行(マイグレーション)し、資料アーカイブを永続的なものとする取り組みです。昨年度まではPC-88、X68000が対象でしたが、今年度はPC-98の5.25インチ(2HD)のデータ移行を進めました。
また新たな取り組みとして、フロッピーディスク面ラベルのデジタル化として約4,500枚分の画像スキャンを実施し、フロッピーディスクそのものをデジタル画像データの形で記録を残しました。

■日時場所

2024年7月3日(水)~2025年2月28日(金)
完全リモート作業(テレワーク)

■実績(累計)
  • フロッピーディスク(5.25インチ):2,014枚
    これまでの累計:11,498枚
  • フロッピーのラベルのスキャン:4,742枚(画像4,835枚)
■作業内容

1.デジタル化作業
2HDフロッピーディスクは作業時間がかかるものの、昨年度と同じスタッフが対応したことでクオリティを担保して作業を進めることができました。

2.データ整理/解析
スタッフにより、各ディスクのマイグレーション結果を分析し、分かりやすい解析図(画像)を発行、「磁気媒体情報」および「磁気媒体解析」として幣団体カタログにて情報を公開しました。解析図は他の研究者と情報共有をする際に非常に重要な資料となります。

3.成果物の公開
今年度の成果物として、ホームページでEXCELにて磁気媒体情報の纏めと結果図(画像)を公開しました。ディスクから読取った信号とトラックの解析情報を追加し公開しています。

5.25インチのフロッピー

5.25インチのフロッピー


2.書籍情報の目録作成

これまで未整理だった初期の広告について目録の作成を行いました。対象資料は76年の雑誌から順に、当時多くのゲーム広告が掲載されていたI/Oを対象に調査しています。
ゲーム黎明期は、コンピューターメーカーやアーケード運営会社、マイコン系ショップなど、様々な由来を持つ会社がその制作・販売に参入しており、その多くは公式な情報といったものがほぼ存在せず、どのような作品が世に送り出されたのか判然としていません。ゲームの広告は美術的な価値はもちろんのこと、ゲームソフト本体には発売日や発表時期といった情報が一切印字されないゲームの研究において、作品の年代特定に役立ちます。そこで、雑誌掲載の広告をそれぞれゲーム作品と紐づけをしながら登録を行います。

■日時場所

2024年7月3日(水)~2025年2月28日(金)
完全リモート作業(テレワーク)

■実績(累計)
  • 218冊の資料を確認し、ゲーム詳細情報 約14,681件
  • これまでの累計:資料381冊、広告情報20,901件
    ※1件=広告に記載されたゲーム1タイトル分の関連情報を示す
■作業内容

1.資料の準備
本部資料室にて、ボランティアスタッフが目録作成に必要な全資料を揃える作業を行います。

2.雑誌の登録作業
登録作業は、特殊な情報を読み取る知識のあるスタッフが行う必要があります。これまでの継続的な作業でノウハウを構築しているスタッフにて作業を進めました。

3.資料の受取と整理
ボランティアスタッフが、作業が終わった資料から順に本部資料室の所定の保管場所に返却するなどの作業を行います。

4.成果物の公開
ボランティアで熟練プログラマーが参加し、データ出力の対応を行いました。ホームページに、過去作業した成果を含めて全プログラムリストが検索可能なデータベース(ベータ版)と全ゲーム広告詳細情報を検索するためのデータベース(ベータ版)を公開しています。

ゲーム雑誌「I/O」と掲載広告ゲームソフト

ゲーム雑誌「I/O」と掲載広告ゲームソフト


3.ゲーム書籍データベース

ゲーム関連資料のうち、ゲーム攻略本やノベライズ、ゲーム化された書籍・漫画などの関連資料の情報登録と、高精細スキャンによる資料表紙等のデジタル化を行いました。今年度は、ファミリーコン今年度はファミコン以外の8ビットゲーム(PCエンジンやメガドライブなど)の攻略本も対象にしています。
ゲーム攻略本などは、通常の図書館に収蔵がないことも多く、成果物は当協会ホームページにて公開し、将来的に芸術メディアデータベース(MADB)との関連付けを行ってリリースする予定です。

■日時場所

2024年7月3日(水)~2025年2月28日(金)
NPO法人ゲーム保存協会等々力本部/リモート作業

■実績(累計)
  • 国内出版物の調査作業:1,208タイトル分追加
    過去分併せて2,195タイトル分の情報となる内容
  • ゲームと技術関連雑誌(I/O)のカタログ化:878冊分(80年代のコンピューターとゲーム雑誌I/O)を追加(サムネイル合計2,167枚、奥付/目次関連2,413枚)
    これまでの累計:1,398冊の追加
  • ゲーム雑誌の全頁スキャン:337冊分(I/O、アスキー等)
■作業内容

1. 書籍の目次と奥付のスキャン
対象とするゲーム関連の資料を準備し、書籍の目次と奥付のスキャンを行います。

2. 書籍の物理情報を記録
書籍の重さ、厚さ、書籍の撮影を行い、書籍の物理情報を記録します。

3. 書籍の詳細情報を入力
1のスキャン情報を参照し、図書館情報学に基づく書籍の詳細情報を入力します。

4. 書籍とゲーム作品を紐づけ
ゲームスペシャリストが、書籍とゲーム作品・バージョンとの紐づけ作業を行います。昨年度分の書籍情報も実施しました。

5. 表紙の高精細スキャン
書籍カバーを簡易清掃し、表紙の高精細スキャンを行います。

6. ゲーム関連書籍のデータベースを紐づけ
ゲーム保存協会データベースに登録されている5万件以上のゲーム関連書籍のうち、国立国会図書館データベース(NDL)のISBN番号を使って書籍情報をクロスサーチし、対応する資料の紐づけを実施。国立国会図書館データベース(NDL)との連携を作る。

攻略本の情報入力

攻略本の情報入力

ゲーム攻略本

ゲーム攻略本


4.ゲーム雑誌カタログ化

雑誌や書籍は通常、国立国会図書館をはじめとした公的図書館に収蔵され、資料情報が登録されているべきです。しかし「ゲーム雑誌」に関しては、図書館未収蔵の資料が数多く存在しており、全貌の把握が困難な状況にあります。ゲームに特化した雑誌(BEEPなど)は、80年代から存在しており、さらに図書館未収蔵の技術系専門誌の中には、ゲームに関する記載が多数存在していることを確認しています。一般の図書館には収蔵のないゲーム関連の雑誌のリストを優先的に作成しました。

■日時場所

2024年7月3日(水)~2025年2月28日(金)
完全リモート作業(テレワーク)

■実績(累計)
  • 攻略本の詳細情報登録:855冊(サムネイル合計1,655枚、奥付/目次関連2,185枚)
  • これまでの累計:1,640冊の登録
■作業内容

1. 雑誌の目次と奥付のスキャン
対象とするゲーム関連の資料を準備し、書籍の目次と奥付のスキャンを行います。

2. 雑誌の詳細情報を入力
1のスキャン情報を参照し、図書館情報学に基づく雑誌の詳細情報を入力します。

3.表紙の高精細スキャン
雑誌を簡易清掃し、表紙の高精細スキャンを行います。

4.雑誌の表紙と本文の裁断と棚卸
雑誌の表紙と本文を裁断。カットされたものを封筒に入れて管理し、アンケートや付録などの付属品も整理します。

5.全ページをスキャン
雑誌本文ページをドキュメントスキャナーでスキャンを行います。

ログインとマイコン北海道

ログインとマイコン北海道

Conference

講演イベント延期のお知らせ

寒さの厳しい日々が続いておりますが、皆様お変わりございませんでしょうか。
平素はゲーム保存協会の活動へ支援を賜り、厚く御礼申し上げます。
さて、このたび誠に残念ではございますが、諸般の事情により2025年4月12日(土)に予定しておりました「中村光一様の講演イベント」を延期させていただくこととなりました。
日頃よりご支援をいただいている会員の皆様、イベントを楽しみにしてくださっていた皆様には、多大なるご迷惑をおかけしますことを心よりお詫び申し上げます。

なお、ゲーム保存協会では引き続きイベントの開催に向けた準備を進めて参ります。改めて日程等が決まり次第、ご案内申し上げますので、何卒ご理解とご協力を賜りますようお願い申し上げます。

今後とも変わらぬご支援を賜りますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。

特別講演「伝説のゲームクリエイターに聞く」第5弾を終えて

2024年8月3日、実に5年ぶりとなるゲーム保存協会主催のイベント「伝説のゲームクリエイターに聞く」第5弾を、エインシャント代表取締役社長の古代祐三さんをお迎えして、上用賀アートホールにて開催させていただきました。
2019年8月に宮路洋一さんに講演頂いた後は、世界的なコロナ禍となり様々なイベントが中止や延期となるという状況が続いていました。そのため保存協会でもドキュメンタリーとしてインタビューを行うなど異なる方法を模索していましたが、ようやく世の中も安定を見せ始め、今回このように再開できたことは非常に喜ばしいことです。

8月3日は猛暑日となる気温でした。午前に正会員による保存協会の年次総会を行い、会計報告、いくつかの議題や解決が必要な問題の確認を行い、滞りなく終了しました。
イベントは13時会場、13時30分より開始というタイムスケジュールでしたので、参加いただく皆様には事前に熱中症対策を呼びかけるとともに、再度感染拡大が指摘されてきておりましたので、会場内でマスクをお配りするなど対策を行っての開催としました。
110名程度のお席を用意いたしましたが事前予約で満席となってしまい、また参加頂いた方は殆どが保存協会のサポーターの方でした。この5年の間でも更にご賛同いただいている方が拡大しているということを実感できた次第です。

講演は3時間の予定でしたが、事前に古代さんから「いつも喋りすぎて時間が足りなくなります。」と言われておりました。そのお言葉どおり、お話も非常に興味深く、結果的に30分延長して3時間30分という長時間の講演となりました。

テーマは「古代祐三さんの携わったゲーム」

今回自分がフォーカスしたものは古代祐三さんの携わったゲームについてです。

多くの方がご存知のように、古代祐三さんといえばゲームミュージックコンポーザーとしてご高名であり、今までにも多くのインタビュー、イベントに登壇されておられます。
事前に今までのインタビュー資料を調べていたのですが、古代さんが原案や企画、バランス調整などを行ったエインシャント開発のゲームについては、あまりフォーカスされていないという印象を持ちました。
実際にそれらのゲームをプレイすると、何れも非常に手触りが良く、秀逸な作品ばかり。ゲーム保存協会としてはそれらの情報を残しておくことも重要と思い、今回は切り口を多少変えたインタビューに望みました。

幼少期のころからお話を始めさせていただきました。
ピアノやクラッシック音楽を学ばれている一方で、ゲームとの出会い、PC-8801の購入などのお話。やはりかなりのゲーマーでスライドに使用したゲームはすべてプレイされておられました。
HARVESTに参加され、制作された同人作品についても触れさせていただきました。特に当時発表されなかったVariant7はかなりの力作で、グラフィック以外はプログラミング、作曲なども殆ど古代さんが作成されたということ。ゲーム自体もかなりな難易度でしたが、完成度は高く、ぜひどこかで完成させていただきたいと思いました。

マイコンBASICマガジンの連載については、どうして連載を中断することになったのかをお伺いしたところ「Yu-You(永田英哉)さんやGORRY(後藤 浩昭)さんが出てこられて、もう自分はいいかなって思った」ということでした。

日本ファルコムでのお仕事は、ドラスレファミリーの制作環境、イースのときは石川(三恵子)さんの曲もSPLITへ打ち込んだのは古代さんであること、橋本(昌哉)さんのコードでZ80を勉強したり、色々と教えてもらったりしたということで、そのプログラム技術がMUCOM88のドライバー作成に生かされているというお話でした。

フリーとなられた後のクインテット、マインドウェアのお話を経て、セガ メガドライブのお仕事をされるようになった経緯についてもお話いただきました。雑誌BEEPライターの方からの繋がりでセガのお話が始まったということでした。
ゲームギアでのソニック制作でエインシャントを設立され、その後はベアナックル2の制作。

ゲームギアでのソニック制作を機にエインシャントを設立され、その後はベアナックル2の制作。
ベアナックル2は当時のセガ中山社長にストリートファイター2を超えてほしいということを言われて作成された作品であり、メガドライブのランキングでは最終投票結果でもメガドライブ版で何れのストリートファイターよりも上位のランクでした。
そのときに作成された未公開の資料もお持ちいただき、講演の休憩時間にご参加いただいた方に閲覧いただけるようにさせていただきました。

ベアナックル3ではM98での作曲のお話もありましたが、本当はゲーム自体も作りたかったのに、それはやらせて貰えず残念であったということでした。ベアナックル3をエインシャントで作られたら、また違った作品になったのではないでしょうか。
その続きとして、キャンセルとなった作品についてもお伺いしました。Stick man is back、アンジェラス2、ベアナックル4といった知られている作品について、背景をお聞きすることができました。

どうしても外せない作品として「シェンムー」のお話。
エインシャントの殆どすべての開発人材を投入することになり、当初はセガに通って制作していたが、最後は近くのホテルから通う形になったこと。セガ本社サウンドブースという慣れない環境で作品づくりや鈴木裕さんとのやり取りなど、シェンムーについて話しをしたら1日あっても足りないということでした。

その後に暗黒時代となってしまった時期のお話。
一番の契機は、自分の思う通りに作曲したものが評価されていた時代から、次第に求められるものを作らなければならない時代に変化し、その乖離で迷いが強くなったことが原因だったということのようです。
その時代はFPS、特にHalfLifeとTeam Fortress Classicにハマってしまったということ。サーバーを立ち上げてプレイする程にハマり、そこでLinuxやサーバーの技術を覚えたということです。
朝、社員が出社したら部屋からプレイしている音が聞こえてきていたというぐらい、ハマってしまって、作曲などの仕事からは離れていた時代ということです。

しかしその後の古代さんの復活は皆さんの知るところでしょう。
湾岸ミッドナイト、世界樹の迷宮など20年近く続くシリーズ、前作を超える楽曲を作成し続けていることなど、とても暗黒時代があったとは想像できませんでした。
ご本人も湾岸ミッドナイトや世界樹の迷宮などの時代のもののほうが音楽的に非常に向上してきていると考えている、ということでした。
理由の一つとして、作成環境がPC1台で完結するような時代に戻ったことが大きいとのことです。

古代さんの原案や作成されたゲームとしては、メガドライブのザ・ストーリー・オブ・トア、セガサターンのTHOR 精霊王紀伝、バトルバ、ゲームキューブのカイジュウの島、PSPの家庭教師ヒットマンREBORN!バトルアリーナなどについてお伺いしました。
メガドライブのトアがエインシャントの自信作というお話は、当時プレイしていた自分も完全に同意します。精霊のシステムや謎、ギミック、アクションなど古代さんの考案ということ。メガドライブ後期の作品ですが非常に面白い作品でした。

私としてはサターン版のTHOR、バトルバの両作品については、もっと時間を使ってお話が聞きたかったのですが、サターンの音源メモリーが少なくて苦労していることなどをお伺いできました。
カイジュウの島は当初アーケードでカイジュウを作成してネットワーク対戦できるような企画であったことやセガサターン版を作成したことなど、全く知らないことをお聞きできました。
家庭教師ヒットマンREBORN!バトルアリーナについては、やはりストリートファイター2をやり込んでおられる手触りの要素がバランス調整に生かされていると思いました。

現在制作させれているアーシオンについては、「実際いつ頃発売?」昔の雑誌にあったような「制作進捗度でいうと何%?」をお伺いしたところ、(講演当日時点では)通しでプレイ可能が50%ぐらい、2025年初頭には発表という予定で進んでいるというお話です。
とても楽しい環境で制作できており、音の確認環境として、はダイソーの「USBミニスピーカー 3W×2」がマッチしているということでした。これは非常に楽しみです。

古代さんへの質問

一旦休憩を挟んで、いくつか作品とは別なことをお伺いしました。

音楽や楽器を学び直したいとおもうのか?
筋肉はすべてを解決する。
好きな音源、嫌いな音源、SoundBlasterなどは?
得意なプログラミング言語は?
当時のファンからの声はどうだったのか?

などなど、あまり古代さんのインタビューでは話されていないことについて、色々とお教えいただきました。
自分として興味深かったことは、作曲したものを一晩寝かせて翌日聞いて良いか判断するが、時間的成約などからイマイチと思ったものでも、周囲の評価が良いと後から自分でもやっぱり良かったと思うこともあるという話。古代さんでもその様に感じるのだなと思いました。

最後に古代さんにとってゲームとは?という質問。
「自分からゲームという代名詞をとってしまったら、ただの作曲家になってしまう。
音楽とゲームは、人生の大部分を締めている、自分の人生で一緒に来ているもの」
というお言葉をいただきました。

会場からいくつかの質問をお受けする時間も設けることができました。その中で、ご自身が作られた曲のアレンジについてどう思われるか?という質問がありました。羽田健太郎氏による交響曲「ソーサリアン」だけはアレンジとして非常に良いと思っているということを言われていたのが印象的でした。

最後に

古代さんとお話をさせていただき、作曲家という一面以上に、ゲームミュージックプログラマーであるし、何よりゲーマーであるということが確認できた、非常に興味深い講演であったと感じました。
長時間に渡りお話を頂いた古代祐三さんに感謝させていただくとともに、イベントへご来場、参加くださった多くの方々、活動へ賛同いただいておりますサポーターの方々へ感謝いたします。

公演終了後には例年ですとサポーターの方々と懇親会を行っておりましたが、会場の都合や感染の拡大傾向であることから、今回は見送る形となりました。こちらに関しては、やはり交流の場がほしいという意見も多く、次回以降は再開できるように検討してまいります。

ゲーム保存協会はゲーム保存活動や研究のみならず、講演などを通じてゲームの歴史を掘り起こし、伝えていく活動も精力的に開催させていただきたいと考えております。こうした取り組みはサポーターの皆さまからのご支援により実現するものです。これからも活動を継続できるよう励んでまいりますので、今後ともご協力の程どうぞよろしくお願いいたします。

ゲーム保存協会 福田卓也