ゲームクリエイターのインタビューをまとめたドキュメンタリー映像「芸夢 [gei・mɯ] (ゲイム)」、第1弾公開

NPO法人ゲーム保存協会(本部:東京都世田谷区、理事長:ルドン・ジョゼフ)は、ゲームクリエイターにインタビューを行った、オリジナル・ドキュメンタリー映像作品「芸夢 [gei・mɯ] (ゲイム)」を2021年1月16日に公開いたしました。

日本の70年代、80年代のゲーム作品は、世界を牽引する豊かな創造性に溢れていましたが、そうした古いゲーム作品の作者や、制作の背景はあまり知られていません。NPO法人ゲーム保存協会は、ゲームとそれに関連する資料を文化財として未来に継承するため、様々な保存活動を行う非営利法人ですが、通常表に出ることのない当時のゲームの作り手にインタビューを行い、その様子をドキュメンタリーとして公開することで、そうした作者の側の歴史を残そうというのが、ドキュメンタリー「芸夢 [gei・mɯ] (ゲイム)」の主旨です。

ドキュメンタリーではインタビューした内容を、映像作品として見やすいよう構成し直し、一人のゲーム作者にフォーカスし、その人物が携わった作品群の紹介と、制作に関するお話を、協会メンバーとの会話の様子なども交えて繋いでいます。

 

第1弾ドキュメンタリー「外山雄一 ~近代のリアルタイムストラテジーゲームのパイオニア~」

今回のドキュメンタリー映像は、ゲームプログラマー・外山雄一さんにフォーカス。子どもの頃に遊んだビデオゲームのお話し、アマチュア・プログラマーとしての最初の作品、そして「ヘルツォーク(テクノソフト)」、「武者アレスタ(コンパイル)」、「蒼穹紅蓮隊(ライジング)」など、ご自身が開発に携わったゲームに関する思いを語っていただきました。
撮影中、当協会では外山さんご自身の言葉に丁寧に耳を傾け、余計な演出などは一切行わず、いただいたお話の内容をそのまま映像にまとめました。
クリエイターから見たゲームの歴史を残す活動の一つとして、ぜひたくさんの方にご視聴いただけますと幸いです。

ドキュメンタリー動画を見る

 

【動画の一部紹介】


外山さんの人となりにスポットをあてたインタビュー

身近な風景な風景を映しながらの映像

引用例:ヘルツォーク(テクノソフト:1988年発売)

引用例:武者アレスタ(開発:コンパイル・1990年発売)

引用例:蒼穹紅蓮隊(ライジング・1996年発売)

外山さん制作のゲームを副理事長と一緒にプレイする一幕も

 

当協会の事業活動と今後の展開

今回の企画は非営利保存活動及びゲームの歴史に関する啓蒙活動というNPO法人の非営利事業の一環として行われるもので、外国語字幕を付けて、まだ日本のゲームの歴史について知らない海外の人々にも広く見てもらえるよう計らい、完全無料で公開いたします。
こちらのドキュメンタリーは、当協会をご支援いただいているサポーター会員の皆さまからのご支援ご寄付により、制作されました。取り組みを応援くださっている皆さまに、改めまして心よりお礼申し上げます。
今後もこうしたドキュメンタリーを見たいと希望される方は、ぜひ、ゲーム保存協会のサポーターにご参加ください。

みなさまから頂戴します会費やご寄付が、次の作品の制作費となります。

サポーターになる


Web動画概要

芸夢 [gei·mɯ] ファイル #1
外山雄一 ~近代のリアルタイムストラテジーゲームのパイオニア~

公開場所:Youtube NPOゲーム保存協会 チャンネル内
https://www.youtube.com/c/GamePreservationSociety
動画時間:約30分(日本語字幕・英語字幕対応)
出演:外山雄一、ゲーム保存協会メンバー(ルドン、福田、佐藤)
監督:アレックス・カ
公開日:2021年1月16日(土)22時

外山 雄一(とやま ゆういち)氏プロフィール
長崎県出身・ゲームディレクター、プログラマー。
テクノソフトのアルバイトとしてMSX版「雀友」のROM化作業の後入社、「D’」「HERZOG(ヘルツォーク)」「FEEDBACK」「新九玉伝」各MSX2版を手がけた後、コンパイルに入社。「武者アレスタ」メガドライブ版、「精霊戦士スプリガン」「スプリガンmark2」PCエンジン版の開発に関わる。その後ライジングに移籍、「魔法大作戦」シリーズや「蒼穹紅蓮隊」を手がけている。現在はタイトーに在籍、「スペースインベーダー インヴィンシブルコレクション」等のディレクターとして活躍している。


NPO法人 ゲーム保存協会について

ゲーム保存協会は、ゲーム保存に関する専門技術や知識を備えた有志らによって運営されているNPOです。私たちはゲームを文化財としてとらえ、ゲーム文化を未来に伝えるために活動を行っています。

ゲーム保存協会は、主に80年代のデジタルゲーム(パソコン、コンシューマー、アーケード)を中心に、様々なバックグラウンドを持ったメンバーがジャンルを超えて知識を共有し、アクティヴィティに従事しています。

膨大な資料と専門的で特殊な問題を抱えたゲーム文化の保護と継承は、一人の人間の力ではやり遂げることができません。よりオープンに活動情報を公開し、立場を問わずゲーム保存に関心を持つ多くの人と協力する必要があります。大切な文化とその資料を未来に残すため、私たちは全力で取り組んでいます。

ホームページ:
https://www.gamepres.org/


当協会では文化庁が定める引用のルールを守ってゲーム著作物の一部を使用しています
引用に関する詳しいルールはこちら

なお、ドキュメンタリー内に登場します各ゲームの現在の著作情報は以下でご確認ください。

〔引用作品の現在の著作情報〕

スペースインベーダー (Space Invaders)
©TAITO CORPORATION ALL RIGHTS RESERVED

プラズマ・ライン (Plazma Line)
サンダーフォース (Thunder Force)
ヘルツォーク (Herzog)
フィードバック (Feedback)
©SEGA

フィールドコンバット (Field Combat)
©株式会社シティコネクション

ザナックEX (Zanac EX), MSX2
©D4Enterprise Co.,Ltd.
©MSX Licensing Corporation All Rights Reserved.
‘MSX’ is a trademark of the MSX Licensing Corporation.

イメージファイト (Image Fight)
©IREM SOFTWARE ENGINEERING INC.

重装機兵レイノス (Assault Suits Leynos)
©extreme

ファルシオン (Falsion)
精霊戦士スプリガン (Spriggan)
スプリガン mark2 (Spriggan mark2)
©Konami Digital Entertainment

国立国会図書館様 意見聴取会の活動報告

国立国会図書館様とフロッピー等の保存に関する意見聴取会を行いました。

去る2020年11月27日、国立国会図書館 電子情報部電子情報企画課次世代システム開発研究室の方々より依頼を頂き、フロッピーディスクを中心としたデジタルメディアに対する保存活動の取り組みに付いて、オンラインでの意見聴取会にて説明させていただく機会に恵まれました。
きっかけはルドン理事長がカレントアウェアネス-Eという国立国会図書館様が発行されているメールマガジンへのPaulineに関する寄稿でした。

国立国会図書館様では2007,8年頃に所蔵しているフロッピーディスクやCD-ROMなどのデジタルマイグレーションについて調査をされています。
資料(平成18年度調査報告書平成19年度調査報告)を拝見させていただき、当時としては非常に詳細に調査されている内容ではありました。

しかしそれから10年以上が経過し、報告されているマイグレーションの方法は、現在むしろ環境構築が困難である部分も多々あり、技術的にも様々な課題に直面されているようでした。またKryofluxやPaulineなどのデバイスについては、存在として既に把握されていたようです。このような背景で、今回当協会の取り組みを説明させていただく運びとなりました。

当日は、国立国会図書館様側からは次世代システム開発研究室の方々を中心に12名の方に御参加いただき、協会からは理事長と私福田で90分ほどの説明の後、質疑を30分程度を行いました。

 

はじめに、理事長より協会の所蔵する資料とその物理保存方法、データベースに登録されるメタデータについて説明しました。磁性体表面に利用されるコーティング剤や多湿によるカビ問題や、ゲームとして保存する場合のメタデータ登録項目に関してなどは詳細に説明されました。
次に福田よりフロッピーディスクというメディアの技術的側面と、KryoFluxやPaulineの技術的説明、KryoFluxからPaulineを作成するに至った経緯を説明し、現時点でのPaulineを使うメリットと問題点について説明させていただきました。
また最後に、CD-ROMなどの光学メディアに関するマイグレーションの問題点についても簡単にお話させていただきました。

我々の説明の後、国立国会図書館様からも多くの質問を頂き、非常に内容の濃い意見聴取会となりました。私自身もこの会の資料作成を通じて、現状でのPaulineの問題点を把握することが出来、非常に有意義な取り組みとなりました。
今後は国立国会図書館様とPaulineを利用する場合の環境構築などに関する情報提供や、そこで得られたデータ利用が可能な次世代エミュレーターの作成など協力を行っていきたいと考えております。

当協会はゲーム保存を目的とした研究や技術開発を行ってまいりましたが、それらは西陣織の織機で利用されているフロッピーディスクのマイグレーションに協力し成功したことなど、ゲーム以外の分野へも応用することが可能です。
お困りの団体、機関などでお手伝いさせていただけることがあれば、当協会の知識や技術協力を行うことは可能ですので、どうぞご連絡ください。


ゲーム保存協会・副理事長 福田 卓也

■メールでのお問い合わせはこちら

月250円からご支援が可能!会費月払い、都度ご寄付ができるようになりました

日頃よりゲーム保存協会の取り組みをご支援いただき、ありがとうございます。
年末の忙しい年の瀬、皆さまいかがお過ごしでしょうか。
このたび、サポーター年会費の支払い方法、都度寄付のご支援ができるようになりました。

保存作業は、もの、人、そしてお金が必要です。
ボランディアがいても、専用器材や消耗品は買わなければなりません。また、週に何日も続く作業を100%無給でできる余裕のある人は少なく、労働の対価となる賃金がなければ活動の継続できません。
大量のゲーム資料を保存し、公開するにはそれを支える最低限の人件費や委託費が必要です。

ゲーム文化を未来へ遺すため、ご無理のない金額で構いませんので、ぜひ当協会へのご支援をご検討いただけますと幸いです。

 

サポーター年会費に「月払い」が登場

クレジットカードによるお手続きで、年に一回まとめてお支払いの他、月々毎にご無理のない金額でご継続いただける月払いが可能となりました。
1口あたり月250円、毎月お茶一杯分のご支援を継続いただくことで、大切なゲーム資料を救うことができます。
※銀行振り込み、コンビニ払いの方は対象外となります。ご了承ください。

また、既にサポーター会員になられている方には、会費の更新時期に事前に確認のメールをお送りする他、マイページからいつでもお支払い方法を変更できますので、ぜひご希望のプランをお選びください。

 

■新規サポーター登録をご検討いただける方


■既にサポーター会員で、プランをご検討いただける方

 

都度ごとのご寄付が可能になりました

すでにサポーター会員で、会費金額の設定を変えずに追加のご寄付がしたいという皆さまには、お好きな時に追加のご支援をいただける「都度寄付」のお受付が可能になりました。
「特別なことがあったから、ゲームのために寄付を追加して活動を応援したい」という時には、マイページの「支払い関連の管理」より、会費を変えずに追加のご支援がいただけます。

 

ゲーム保存活動は皆さま一人ひとりのご支援によって支えられています。
日本のゲーム文化を100年先の未来に遺すために、皆さまからのご寄付ご支援は大切に使わせていただきます。
今後の保存活動を続けていくためにも、今後も当協会へのご支援・ご協力のほど、よろしくいたします。